京都市が推進する空き家対策
古都・京都は、多くの観光客を魅了する一方で、景観や住環境の保全が大きな課題となっています。特に、放置された空き家は、街の景観を損なうだけでなく、倒壊や火災のリスク、防犯上の問題など、様々な社会問題を引き起こします。
そこで京都市は、空き家を減らし、有効活用を促すために、所有者や購入者を対象とした独自の補助金制度を設けています。令和7年度も、前年度に引き続き、空き家の活用・流通を促進するための補助金が用意されています。
この記事では、京都市が実施する「空き家等の活用・流通補助金」について、その内容を分かりやすく解説します。
1. 敷地活用補助(解体工事費の補助)
建物が老朽化し、そのままでは活用が難しい空き家を解体し、更地として有効活用したい方向けの補助金です。

補助率:解体工事費 × 1/3
上限額:60万円
加算条件:解体後、敷地を隣地と合わせて50㎡超として一体利用する場合は、最大20万円加算されます。
補助対象となる空き家
- 昭和64年1月7日以前に建築された一戸建て住宅(京町家を除く)
- 延べ床面積が50㎡以下であること
- 個人が所有しており、現に居住・使用されていないもの
- ※共同住宅・重層長屋は対象外です。
2. 建物活用補助(仲介手数料補助)
空き家を売却して有効活用したいという方向けの補助金です。
補助率:仲介手数料 × 1/2
上限額:25万円
補助対象となる空き家
- 昭和64年1月7日以前に建築された一戸建てまたは長屋建ての住宅
- 延べ床面積が200㎡以下であること
- 個人が所有しており、売却時に居住・使用されていないもの
- ※京都市内に本店または事務所を置く不動産業者に支払った仲介手数料が対象となります。
解体工事費補助・仲介手数料補助の要点
| 補助メニュー | 対象内容 | 補助率 | 上限額 | 備考・加算条件 |
|---|---|---|---|---|
| 解体工事費補助(敷地活用) | 解体工事費 | 1/3 | 60万円 | 敷地一体利用で最大20万円の加算あり |
| 仲介手数料補助(建物活用) | 売却時の仲介手数料 | 1/2 | 25万円 | 京都市内の業者への支払いが対象 |
補助金利用時の重要な注意点とスケジュール
解体工事の着工は必ず「交付決定後」に
- 敷地活用補助(解体工事費補助)の場合、補助金の交付決定通知書を受け取る前に工事を着工すると、補助金の対象外となります。
- 必ず「申請 → 決定 → 工事」の順番で進めましょう。
申請期間
●敷地活用(解体補助):令和7年4月1日から令和8年1月30日まで
●建物活用(仲介手数料):令和7年4月1日~令和8年3月13日まで
●※いずれも予算上限に達し次第終了します。
まとめ:京都市の補助金を活用し、空き家問題を賢く解決
京都市が提供するこれらの補助金は、空き家を「負動産」から「資産」へと変えるための強力な味方となります。
特に、解体や売却にかかる費用は大きな負担となりがちですが、これらの補助金を活用することで、その負担を大幅に軽減できます。ご自身の空き家が補助金の対象になるか、まずは京都市の窓口に相談してみることをお勧めします。

